高齢者の多様な役割、外出と交流や健康・元気で長生きを促進 医療と介護の連携強化、認知症対策や看取り対応の施設の拡大

会派視察 11/7-11/9

2011年11月13日

岸和田市「協働のまちづくり事業者バンクについて」「エネルギー政策について」

岸和田市は、大阪と和歌山のほぼ真ん中に位置する、人口20万3千人の特例市で、だんじり祭が有名。又、300年の歴史と伝統を誇る岸和田城のある城下町です。平成17年8月に自治基本条例を制定し、自立した市民や市民活動団体が責任を持って、様々な主体と連携・協力してともにまちづくりに取り組む「市民自治都市の実現」を目標に協働によるまちづくりがすすめられています。

そこで、社会貢献や地域貢献をしたい、地域のまちづくりに参加したいという「企業・事業者」と市民活動団体の両者のニーズを結びつけ、より効果的かつ効率的な公共サービスの提供を目的に「協働のまちづくり事業者バンク」を平成20年から創設。これにより、事業者の有する資源(人材、物品、知識など)を出来る範囲で地域のまちづくり活動に活かすことができ、事業者・市民・行政による協働のまちづくりの実現を目指す。平成23年3月までの事業者の登録は、16事業者で協働は、3事業です。

内容は、事業者のスペース貸与、講師派遣、等ですが、販売活動等の営業目的は禁止ですが、会社のPRは、OKなので、やり方によっては利点がある。平塚市では、市民には目がいくが、事業者との協働は上手ではないので、事業者の社会貢献を進める上での参考にしたいと思います。課題は、PR不足。また、大企業の参加がない。

岸和田市地域省エネルギービジョンの策定経過は、平成14年に市が管理・運営する全市有施設について前年度からのエネルギー使用実績(電力・ガス・水道等の消費量)の整理をおこない、各施設における温室効果ガスの排出量を検証。(現在も継続中)平成22年度には平成13年度比で行政におけるエネルギー削減量10%削減することを目標にしている。

電力の使用料を10%抑える節電も実施しているが、市役所の蛍光灯は、間引きされていない。節電に対する意識は、薄いように感じられた。しかし、関西電力の電力供給が十分なのかの質問には、平成24年の2月15日のバレンタインデーが最も停電の恐れが高いのこと。環境教育も推進していますが、市が事務局となり、環境市民会議をつくり、生活部会・対策部会・教育部会・温暖化部会等で取り組んでいます。

和歌山県 高野町「高野町の歴史・文化を活かしたまちづくり」

高野町は、平成16年7月に待望の世界遺産に登録されましたが、以前1万人いた人口も、少子化の影響で今は、約4000人で、「宗教環境都市」です。そのため、観光を重点にしたまちづくりをおこなっています。観光客は、日本人よりも外国人特にフランス人が多い、しかも、外国人は、来日の前に十分調査・勉強をし、情報交換を密に高野山に来ますので、外国語等の対応もしなくてすんでいますとのことです。

従って、京都や奈良のような観光地と違って、「おもてなしの心」で迎えるというより、むしろ「つめたいまち」といえるかもしれない。外国人にとって高野山は、東洋文化の神秘にふれ、純粋に日本の文化を知る題材であり、そのため、リピーターとなり何度も訪れる場所であろう。そして自然の山の中に「まち」があるのが不思議と思われる。このように、高野山は、「門なかまち」である。寺院は、117、宿坊は52軒あります。

景観整備については、20年前から電線の地中化を計画し、また、景観に配慮した看板の設置などをおこなっています。さらに歩道の整備や休憩所(ベンチなど)の設置、判りやすい絵柄で表現した絵文字や象形文字で、歩道のサインをつくり、歩行者が快適に散策できるようなまちづくりをしています。本当にゴミのないまちで、歩道は、落書きや、悪い看板類もいっさい見あたりません。

高野町の景観計画では、
・木材を基本とした高野山の伝統的なかたちや材料をもとにしています。
・建物や工作物の形状、色彩を周辺環境に調和させます。
・景観を損なうものはなるべく表にださないようにしています。

災害に強いまちづくりをめざしていますが、過去、地震は、あまり発生していません。しかし、山林のなかにあるまちなので、火災対策が重要になります。

環境維持基金条例の制定

安心・安全で住みよい環境をつくり、歴史・文化の継承とさらなる魅力あふれる町を創るためには、高野町の地域を基盤にした自治活動へ多くの人の参加が必要で、基金条例の制定により、寄付金による新たな住民参加のまちづくりが可能です。条例は、平成18年10月に制定。これは、当初はふるさと創生事業の1億円を活用し、環境維持基金としてまちの魅力を高める美しい町並み景観の整備に助成をおこなっています。

寄付の方法

・5千円を一口として何口でも受付可能
・寄付申し込み書で寄付金の使い道を指定して申し込む

大阪府 高槻市「こちら部長室について」「放置自転車対策について」

高槻市は、平成15年4月に中核市に移行した、人口358000人(平成23年3月末)の京都市と大阪市の真ん中に位置するまちです。都市宣言も、交通安全都市宣言・暴力追放都市宣言・人権擁護都市宣言・比較平和都市宣言・健康都市宣言など多岐にわたります。また、視察の受付状況を聞きますと、過去、「子育て総合支援センター」16件や「人事考課制度・再任用制度」7件等が多いので、今後の視察の際の参考にしたいと思います。

高槻市のホームページは、市のホームページを市民に面白く見てもらうため、平成10年10月にやる気のある職員のプロジェクトにより開設。平成15年8月のリニューアルで「こちら部長室」が誕生しました。各部長が、毎週1回づつ交代でそれぞれの部の事業内容や課題を自分のことばで分かりやすく紹介しているため、市民からの意見は好評を博しています。また、部長は、名前だけでなく顔写真ものせているため、市民にとって身近な存在になっています。職員の立場からは、事業がよりわかりやすくなり、勉強になるとの声。

平塚市のホームページは、文字は小さく、文章はかたいため、読みにくいし面白みに欠けます。今後、市民により親しみをもっていただくためにも、おもしろコンテンツとして内容を充実させていく必要性を感じます。

高槻市も本市と同様、平坦な地形から自転車利用が多く、放置自転車の対策には困っているようでした。平成5年にはすでに「駅前放置自転車・ミニバイクゼロ運動」を実施している。通勤・通学の放置自転車には一定の成果をあげていますが、買い物客等の一時利用駐輪については、本市と同様、放置自転車の減少には至らない。
・駅周辺に警備員・指導員を配置しているが、夕方・夜間は管理できない。
・商店街は、午前中のみ放置対策として、2年前から放置自転車の撤去を開始
・撤去した自転車の保管料は、2500円。9100台保管したが、うち、6800台は返還され、のこりは、庁内で整備して使用。また、自転車商組合では1600円で市民リサイクルとして288台販売しています。
・22年度からは、リサイクルできない自転車については「ごみ」として処分していたのを「鉄くず」として1台148円で売却。最近は増えているとの事。

★今、自転車の走行は、社会問題化しています。
走行区分帯・飲酒事故・マナー・モラルの問題、ブレーキはずし・携帯使用など警察も含め、社会全体で考えることですが、駐輪の問題も個人・個人のモラルが重要。みんなで考えよう