市長に問う 新型コロナウィルスとの戦い
コロナ禍の検証と第二波、第三波への備え
市長は4月22日に記者発表を行い、市民の命、生活、経済を守るという3本の柱で約12億円の緊急対策を発表した。外出先の自粛や休業要請など、今までのコロナ禍の影響や反省など冷静な検証を踏まえた中で、第二波、第三波への備えをどうしていくのか市長の率直な考えを確認した。
市長、所轄窓口からの回答
- 感染症対策に取り組み、経済活動や地域活動の再開を進める
- 市長室に市民周知の危機対応部門を設置
- 国の動向を見た上での追加経済対策検討
- イベント未開催による未執行予算を感染症対策へ組み替え
- 中止となった七夕まつりは来年度以降への継続取組を予定
- 支給対象外新生児への給付金などの支援を庁内で協議を進めたい
- 本市独自の家賃補助の対象期間延長内容を検討
- 国の二次補正予算による交付金は今後必要となる感染拡大防止と社会経済活動を両立させる新しい生活様式への対応や事業継続などの経済対策にも最大限活用
- 濃厚接触者追跡アプリの導入は市独自で導入するより神奈川県が導入している「LINEコロナお知らせシステム」の店舗や施設、利用者への登録を求め、感染リスクが発生した場合に迅速かつ適切な情報発信に務める
命と健康を守る 検査体制と医療体制
平塚市民病院の医療提供体制
高度医療機関としての平塚市民病院の医療体制の状況について市長に確認した。
1 医療提供体制の整備の状況と課題・対策
- 感染が疑われる患者と一般患者の病棟を分離 ・不急の手術や検査を延期
- 面会禁止や三密を避けるためのエリア制限
- 換気対応
- 資機材整備、職員教育、マニュアル整備、情報提供などを行ってきた
- マスクや防護服など多くの市民、企業、団体から寄付され不足分が補われた
- 第二波、第三波への備え
- 行政や医療機関からの情報収集
- 資材の確保
- 院内感染防止への取り組み
2 外来診療や入院・手術・検査などに与える影響や経営状況
- 市民病院では慎重に診療を行っているため患者数が大幅に減少
- 4月の診療実績
・入院1837人減少
・外来4665人減少
・手術77件減少 - 経営状況前年同月比
・入院収益1億2300万円減少
・外来収益約2700万円減少
・医業収益1億4900万円減少
・4月医業収支は約2億6000万円悪化
PCR検査と新規感染症の発表
新規感染症の発表に対する市の対応とPCR検査を受けるための相談や目安について、市長に確認した。
1 新規感染症の発表に対する市の対応
- ウィルスの検査及び公表は神奈川県及び保健所設置市が行っている
- 県では感染者の年代、性別、居住自治体名、本人の同意があった場合は職業、同居の家族の有無、発生事由を公表、感染者発生件数をホームページで公開
2 PCR検査を受けるための相談や目安
- 帰国者・接触者相談センター等に相談する
目安は、息苦しさ・俗体感・高熱などの症状の場合、高齢者や基礎疾患の方が発熱や席がある場合などとしている - 相談を受けたら、指定された帰国者・接触者
外来、またはPCR集合検査場でPCR検査を受けることになる
南部地域のまちづくりの諸課題
湘南海岸公園龍城ヶ丘ゾーン整備・管理
本市の将来を担う龍城ヶ丘プール跡地の公園整備については1月に事業者も決定し、3月に事業者と基本協定を締結。これまで反対意見だけでなく賛成意見も多く寄せられて いる。コロナ禍であっても必要な事業は計画を前に進めるべき。そこで遅れている住民説明会と今後のスケジュール等について都市整備部長に聞いた。
■住民説明会
- HPによる意見募集、テレビ会議システムによるウェブ会議、対話等を重ね、延期していた説明会開催に向け検討している
- 公園が出来たら行きたいか? インターネット回答
とても行きたい 28%
行きたい 37%
普通 19%(合計84%)
行きたくない 8%
無記入 8%(合計16%)
* 回答総数437件(市内在住92・2%、市外の方7・6%、無回答0・2%)
■意見の内容
- 公園から広がるまちづくりに期待(散歩道、サイクリング道路、駐輪場の設置等)
- 公園整備では海沿いのロケーションを最大限利用すべきとの意見(カフェ棟・芝生広場・BBQ・レストランに行きたい人が上位)
- 樹木に対する意見では、治安面で不安のある樹林帯が問題。自然と共存した魅力ある公園づくりを期待。
■津波、塩害の地域への影響とスケジュール
- 国道134号線を超える津波は数千年に一度
- 塩害は海岸からの距離が大きな要素で、できる限り樹木を残し、これまでと同等以上の飛砂防備機能を確保する
- 今後実施する説明会等の意見を基本プランに反映し、関係機関との協議を進め、令和4年12月の完成を目指す
■市の見解
市は、誰でもが安心して利用できるよう、保安林と同様の状態(樹木を間伐して樹木の成長を妨げない一定の間隔を保つ)として樹木を管理していく。
■津波対策について
関東大震災と同程度の比較的発生頻度が高い津波(L1)は、事業地の基盤高が津波高よりも高いことから、事業地に到達せず、影響はありません。また、数千年に一度とされ、極めて発生頻度が低い最大クラスの津波(L2)に ついては、国土交通省が東日本大震災を受け、10名の 有識者を交えた公園整備に関する検討委員会の中で、平成24年 3月に発表された技術資料からすると、事業地においては樹木による津波の緩衝機能は大きく期待することが出来ません。そこで、来園者への 対応は、公園内の 津波避難施設を利用していただき、地域住民は、安全な 高い場所へ一考も早く避難する行動が求められると思います。
駅南側駐輪場増設の整備 10月から増設工事開始
健康づくり、災害時での活用など、自転車のより活用しやすいまちづくりの推進を図るため、平塚市自転車活用推進計画が策定された。長い間懸案事項であった市民待望の駅南側駐輪場整備がさらに進むことになる。そこで、交通政策担当部長に確認した。
1 具体的な計画内容は?
- 本市の公営駐輪場を管理運営している公益財団法人平塚市まちづくり財団と協議を進めてきた
- 八重咲町公園第一駐輪場の改築により382台から約600台駐輪可能に
- 10月から工事着工、来年3月完了予定
- 今後も必要な駐輪台数の確保に取り組む
しんやの視点
◆駅南側自転車駐輪場整備が促進
駅南側の定期利用駐輪場の市民ニーズは高いので、第2弾の駐輪場増設計画を早急に行うべきです。特に八重咲町公園第2駐輪場や八重咲町第一駐輪場、代官町駐輪場の拡大整備に早期に着手していただきたいと思います。また、駅南口広場の駐輪場は約160台定期利用されていますが、他に代替えがあれば、その広場をシェアサイクルや一時利用の駐輪場に利用できます。また、海岸に通じるなぎさ プロムナードの玄関としての魅力づくりにもなります。
2 駅南口広場全体の再整備は?
- 最も利用者の多い北口広場が最優先
- バス停再配置などバリアフリー化完了
- 現在、見附台周辺地区整備中
- 駅西口再開発、広場機能の確保を優先的に進め、中心市街地全体の回遊性創出に取り組んでいる
- 駅南口広場駐輪場は当面定期から一時利用への転用、シェアサイクルポート等への転換を進める
- 駅南口広場全体の再整備は駅周辺のまちづくりの状況次第
11月から堤防工事着工
11月頃から着工。下花水橋から上流200Mの区間で堤防整備がやっと始まります。今年度は堤防本体の盛土を実施しますが、工事は2~3年かかる予定です。工事中はこの区間の道路は通行止めになりますが、JR下の河川管理用通路は通行可能です。また、この区間の整備 完了後、JR交差部付近の区間について順次整備していきます。なお、堤防工事中に台風や大雨などの自然災害が起きても、堤防決壊や洪水などの被害が地域住民に及ばないよう万全な備えを期待したい。
脱炭素に向けて、新産業に期待
8月17日、タマ三郎で有名な平塚漁港で波力発電の実用化に向けた試験をしている平塚波力発電所を見学しました。波力発電は海に無限にある波の力を使って電気を作る方法で、地球温暖化を進めない、二酸化炭素を出さない、地球にやさしい発電方法です。火力、水力、太陽光、などと比較しても高効率・低コストの分散電源を開発していますが、期待できます。平塚市と東京大学生産技術研究所が協力し、様々な企業が参画し産学公の平塚海洋エネルギー研究会が平成28年6月に発足、開発を進めてきました。本市の企業も、横浜ゴム・山川機械・渋谷潜水工業など参加しています。波力発電の技術開発。実証事業は、全国で最初に岩手県の久慈市で始まったが、平塚市は2番目で、これからは、福島県の浪江町で予定されています。また、本市の今年度予算に波力発電関連分野での新産業創出促進事業として12万5千円計上され、国からも今年までの3年間で4億6千万円の委託料をもらっています。今後は全国の港で実証実験がされ、波力発電の実用化に向けて動き出します。
しんやの視点
◆波力発電
気候変動への対策として脱炭素化に向け、原子力や再生エネルギーの活用が急務ですが、原子力発電の安全性が確保されない現状では、波力に期待したい。平塚からの発信です。
◆JT跡地
しんやニュース21号(2月発行)でお知らせしましたが、南街区は地上7階建て、435戸の共同住宅が予定され、北街区では、大型商業施設が計画されています。しかし、その後、一向に進展がありません。コロナ感染症の拡大の影響や交通問題で警察との協議の状況等要因が考えられますが、今後とも、工事の進捗状況を注視していきます。
◆旧税務署跡地、旧ハローワーク跡地
昨年の12月議会質問で検討すべきと問題提起し6か月経過しましたが、どこの部署で誰がどのように進めていくのか、一向に方向性が見えてきません。果たしてこれで良いのでしょうか。国や県の土地だから何もできないので、何もしないで国や県から言われるまで待とうと考えるのでなく、言われた際に提案できるよういくつか構想案が必要です。商工会議所を含めた広大な土地利用も視野に南部地域の活性化の方策を市としてどのようなものが出来たら平塚のためになるのか、総合的な構想を庁内で研究・検討することが絶対に必要ではないでしょうか。