取り組んできた課題と新たな最優先課題
3月11日、世界でも類を見ない未曾有の地震が起き、その上津波や福島第1原発の事故が重なり大惨事となりました。お亡くなりになりました方々に対しまして衷心よりのお悔やみと、行方不明の方々、被災された方々へ、心からのお見舞いを申し上げます。
この4年間において「市民の声を市政に反映」という思いで、皆様と一緒に「安心・安全なまちづくり」を次のように推進してまいりました。
西口エレベータ設置が平成24年度末までに完成予定です。耐震問題では花水小学校体育館の建て替えが決定し、秋には解体工事が始まります。老朽化した、なでしこ会館も、花水台会館として新築誕生しました。
他にも、海岸地区の学童保育の課題解決や、精神障害者の医療費助成、介護施設の整備、黒部丘の小川跨線橋の問題解決などを行ってまいりました。
今後も介護予防事業の推進を図り、元気な高齢者対策を進めることや、子育て支援、教育環境の充実のほか、海岸観光利用の促進と雇用創出など、さらに取り組むべき課題は山積みしています。
しかし、東日本大震災を目の当たりにした今、早急に地震・津波対策を強化し「災害に強いまちづくり」を最優先課題として取り組む決意をいたしました。
震災問題を考える会を開催
このような状況から、急遽3月30日「野崎しんやと震災問題を考える会」を平塚商工会議所で開催いたしました。計画停電の中、100名を超える地域の方々にご参加いただき、中身の濃い議論を交わすことで、今後の取り組みの方向性ができました。ご参加の皆様に感謝申し上げます。
参加者の声
- 近隣に避難する高台がない。(多数)
- 避難場所がグランドでいいのか?
- (避難場所が海側の方)津波時に、なぜ海に向かって避難しなければいけないのか。
- 防災無線が聞こえにくい。
- 花水川の河口は大丈夫なのか?
- 防災備蓄倉庫の場所は現状(特に平地)で良いのか?
想定内の基準は4m?防災計画の見直しを!
平塚市では地域防災計画が平成21年に改定されていますが、今回の災害を教訓とするなら、例えば現在4mとされる県が公表している津波の想定について、果たしてこれでよいのかと疑問を持たざるを得ません。
今まで多くの市民が「相模湾は津波が起きにくく、加えて国道134号線の海抜が8mあるから津波対策は十分」という認識でいたのではないでしょうか。想定外をも想定した有効な津波対策が必要です。
危機管理の原点に立ち戻った、抜本的な地域防災計画の見直しが急務と考えます。
しんやの視点
- 高台が近辺にない平塚市では、高層マンションやビル事業者との災害避難協定や、要援護者など災害弱者への迅速な支援対策が重要な課題。
- 災害状況をいち早く知らせる防災無線の役割は重要。施設の不足や不備の改善は緊急の課題。
- 今回の大震災では河川沿いに津波が逆流し、上流部でも被害が拡大。2つの河川が貫く平塚市は、洪水だけでなく津波による河川治水対策も最優先課題。
- 被災後の精神的ケアなどを盛り込んだ「避難所生活基本マニュアル」など、長期の避難生活から起因する二次災害対策の策定も非常に重要。
- 防災計画が画餅にならないよう、備蓄倉庫の設置場所の見直しや避難訓練など、危機意識を持った自主防災のあり方の再検討も必要。
震災問題については議会を待たず、行政と地域が今すぐできること、やれること、を優先して行うべきと考えます。