人口減少・超高齢社会で選ばれる街へ
令和2年度の国の人口動態調査が8月に公表され、東京1極集中から神奈川・埼玉・千葉への人口流出が目立つようになった。コロナの影響からテレワークの活用で広い居住空間を求めて都心から地方へ移住が増加している。
民間情報サイトによると、本市は自然豊かな環境と温暖な気候、都心から近い住環境から住みたい街、住みやすい街として評価は高いが、本市への移住が増えてはいるものの、全体的な人口減少は続いており、今後本市が選ばれる街、持続可能な街へ発展し一定の人口を維持するための課題を独自に考えている。
転入出理由不明
6月議会で平塚市内への転入出者へのアンケート実施の有無を質問した。今後、県と連携し本市独自の事項も加えて実施していくとのことなので調査結果からの施策検討はもちろん、アンケートの有効性検証も併せて探っていきたい。
見えないビジョン
9月議会の補正予算で、定住促進に向け、シティプロモーションのターゲットエリアを池袋周辺に拡大し動画などの発信を強めるそうである。なぜ北関東なのか?また、ビーチパークや龍城ヶ丘プール跡地の整備など海の魅力づくりや湘南平の魅力づくりが必要だという意見もあるが、もちろんこれらは是非進めるべきだ。
しかしこれらは局所的な問題であり、市としてこの街をどういう方向へ向かわせたいのか、市民はどう思っているのかこれをはっきりさせなければ個々の問題が曖昧になるのも仕方あるまい。市民の声を一つ紹介しよう。「平塚には何もない。」私は平塚は大変魅力的な街だと思っている。ただこれまでの歴史とこの恵まれた立地条件以外にこれと言ったものは本当にあるだろうか。
選ばれる街としての本当の魅力は一過性の対策で実現できるものなのか。この街をどういう方向へ導きたいのか、今後も追求していく。
出生数の減少
出生数は年々減少しており、これは本市に限らず多くの街にも共通する社会現象である。そのような状況において本市は県内33市町村の内22位と深刻であり、現在も行っている対策をさらに具体的に強化していく必要がある。
- 教育環境の充実
- 子育て世代の移住促進
- 合計特殊出生率対策の強化
本市が子育て世代から選ばれ、本市に移住してくれる環境づくりの整備が最も重要。そのためにも、安心して産み育てられる環境、相談体制や働きながら子育てできる環境、教育などの長期にわたる施策の拡充がより一層求められる。
生産年齢人口の安定
15歳から64歳までの生産年齢人口は、平成28年以降、社会増であり、特に35歳以上の子育て世代の転入者の増加が続いている。今後もこの生産年齢人口世代の安定した社会増を進めるための施策が重要。
- 雇用や起業の環境整備
- 起業優遇
- 女性の労働環境づくり
- シニア雇用の促進
浜岳地区の高齢者対策
空き家の増加、独り住まいの高齢者の増加、高齢者の買い物や通院など地域内移動が困難な状況である。この問題に対し、顕著になりつつある課題に対する地域独自施策が必要である。
- 助成制度の創設による空き家の有効活用促進
- 相談員を配置し相続や住み替え支援
- 地域公共交通について地域の課題の整理
- 民間と共同で健康ウオークポイント事業推進
- 介護職員を補佐するボランティア職員の育成
龍城ヶ丘プール跡地の公園整備
東京オリンピックの新種目のサーフィンやスケードボードで10代が大活躍。6、7年前にプール跡地をスケードボード場にする構想もありましたが、いま思うに、もっと寛大な心で若い世代の才能を開花させるため、スポーツができる環境づくりをつくってあげてればと反省させられた。サーフィンでも、一の宮市はサーファーの街おこしで、人口も増加している。
本市もサーフィンは人気があり、トイレやシャワー、駐車場などの設備などもう少し真剣に考えてもよいかもしれない。その点で龍城ヶ丘プール跡地公園整備について、大切な樹木の移植などに配慮し伐採を必要最小限に留めるとの事なので、駐車場整備によるスポーツ振興、地域活性、経済効果に期待している。
平塚には横乗り文化としてサーフィン等と共に数十年もスケボー文化が根付いています。スケートボードパークの建設によってスケートボードとBMXを健全なスポーツとしての確立することができ、安全面の担保、競技をする人々のマナーや品位の向上・子どもたちの夢をかなえることが実現できます。横乗り文化を健全に大切にすることで、若い人々を魅了し、平塚に人が流れ・動くことも期待できると思います。
※ 神奈川県下には茅ヶ崎、藤沢、秦野、厚木、大和、湯河原、相模原、寒川、海老名、横浜には公営のスケートボードパークや私営の設備がいくつも存在しており、プレイヤー達の受け入れがあります。
3月議会で海辺の総合公園整備事業として。国庫補助金1億円を含む2億円の予算が、議員の賛成多数で可決され、これは大変重い議決である。市民のためになるより良い公園整備に向けた活発な議論が大切で、市長は「人口減少社会の中、海のイメージの弱い平塚市を公園整備で、海辺の魅力を図り、交流人口を増やし、平塚市の魅力を発信していきたい。」と言われており、私も大賛成。今後のスケジュールは、12月の着工を目指しているが、その前に市は最終案を提示しすでに実施している飛砂調査とともに結果を公表。
- 今年度は2億円でプールの撤去・造成・設計
- 海岸エリアの回遊性の向上として龍城ケ丘エリアとビーチパークまでの園路整備を進める
- 国道134号線沿いの工事予定地に看板又は広告塔を設置検討
市民意見からの修正にはできる限り対応するとしており、今までの市長の修正事項は以下の通り。
- 地盤高について県の防護水準を上回る高さに修正
- 当初の保全率38%から施設の配置見直し等により更なる保全をするよう調整検討
- 市による塩害・風害調査の方法や時期を検討、整備後もモニタリング調査実施
- 静穏・静寂な住環境保持のため防犯カメラ設置、コンビニの営業時間の縮小などを検討
- 子どもや乳児の親子連れが安心・安全に遊ぶことができる工夫を検討
これら対して住民説明会を開催し、市長から直接ご説明いただくことを期待しています!
金目川水系 洪水・内水対策
避難情報のうち最も危険度の高い「警戒レベル5」が平塚市に初発令された事もまだ記憶に新しいが、金目川水系における対策はまだ不十分である。今までの51ミリ対応が実際すでにこれを超える事象が発生しており内水ハザードマップや洪水ハザードマップのさらなる改定が必要で毎年市長は県に強く要望しているが進展はない。また、秦野市伊勢原市との連携により金目川流域治水を広域で捉える必要があるがそれに対する動きも見られない。
河内川の内水氾濫対策
これまでの県の対応は草木の除去や、川底のしゅんせつなど。河内川の水位そのものを下げるため、金目川への雨水流入拡大の改修工事の速やかな計画着工が必要で、今年11月より下河原橋から万年橋の両岸約500mにわたり流下断面を広げるための護岸整備を順次着手予定。市の対策としては、8台ある排水ポンプ車(稼働は5台程度)を配置し、山下や徳延など危険な場所を選んで排水作業を実施する予定。
金目川下流域の堤防工事
- 堤防護岸工事10月頃着手
- 来年5月頃完成予定
- 堤防の上は4m幅で車や人が利用できる予定
- 護岸工事終了後JR交差部付近の工事を実施予定
- 土のうを設置して7年以上。劣化が心配。撤去など土のうの確認が必要。
- JR高架下の生活通路がなくなるため、迂回道路の確保について大磯住民を含む地域住民の合意づくりにむけた丁寧な進め方が重要。
金目川左岸河口付近の整備
県は、「定めた津波高6.3m等に対し、国道134号の高さは確保されているものとしている」との見解。県は高潮ハザードマップでの危険地域指定だけでなく、具体的な整備などの方向性を示すべき。
国道134号は平均8mの高さであるが、花水川河口付近の海抜は、6.9mで低く津波、高潮、高波に対し、撫子原や花水台、虹ケ浜地区の危険度は高く地域洪水対策の検討が必要。
河口付近の海岸浸食が著しいが、県はこの現状をどのように捉え対策を講じるのか。現在照会中ですが長い間なかなか検討が前に進まない状況で大変残念です。