委員長 野崎 審也
視察先 10月26日(月) 兵庫県 芦屋市
視察項目
芦屋景観地区について
芦屋市は、人口95,467人ですが、日本有数の高級住宅街を有し、日本で唯一の「国際文化住宅都市です。また、納税者1人あたり所得額は最新データーによりますと、645万円で平塚市の340万円にくらべると約2倍ぐらいの差があり、富裕差は歴然です。
緑豊かな美しい芦屋の景観をめざして、芦屋市全域を景観法で定める「景観地区」に指定しました。平成21年7月1日から、芦屋市内における「全ての建築物」及び『認定を要する工作物』に関わる次の行為、新築又は新設・増築・改築・移転・外観を変更することになる修繕または模様替え・色彩の変更等があった場合は、景観法に基づき市長への認定申請が必要で、その内容が形態意匠の制限に適合しているか、認定審査会の審査を経て認定証の交付をうけます。この後に工事の着手です。
大規模建築物の建設では、認定申請に先立って、敷地の立地条件や周辺環境の特徴に基づいた景観の配慮方針に関して、「景観協議」(芦屋市都市景観アドバイザー会議)が必要で施主及び設計者と個別協議をおこないます。
パチンコ条例で規制されているためか、市内には、パチンコ店・ゲームセンター等1軒もなく、映画館もない状況です。
芦屋市交通バリアフリー基本構想について
基本構想の策定の際、まち歩き点検調査、ヒアリング調査、アンケート調査、素案に対する市民意見の募集等おこない、多数の方の意見を参考におこなっていた。まち歩き点検調査では、バリアフリー上の問題点を把握するために実施されましたが、計4回、延べ164人が参加し、参加者も高齢者・障害のある方(視覚・身体・言語・知的・精神)・学生・市職員・策定委員会委員等で構成し、内容の検討をおこなっていました。
*市役所の1階に総合案内窓口が設置されていましたが、「お困りです課」の名称で、委託をうけた派遣会社の女性職員(すべて女性)が市民の相談に対応していました。松戸市役所の「すぐやる課」を思い出しましたが、ソフトなイメージで市民から好感をもたれているのではないかと思います。
二日目、10月27日(火) 香川県 高松市
視察項目
丸亀町商店街の再開発促進事業について
平成11年に中核市になり、人口417千人で、サンポート高松の整備により、四国を代表する高次都市機能や都市資源は充実している。特に、丸亀町商店街は、日本一最長の商店街で成功事例のひとつです。
○人が住むまち、住めるまちにしょうとのしっかりとしたコンセプト。
○回遊したくなる中心市街地づくりを促進している。商店街の中に、魅力ある空間づくりをおこなうため、イベント広場や道路のバリアフリー化を実施している。
○商店街がまちづくり会社をつくり駐車場を経営している。その中に保育士が子供の世話をする亀ちゃんルームを設置して、1H600円で借りられるようになっていて、子育て支援もしています。
○まちバス運行事業としてサンポート高松と中央商店街での来街者の回遊を促す循環バスを運行。1回、100円、25分おきに乗れる。
○イルカカードの活用による活性化を図る。公共交通機関のICカードで店舗の決済が可能で、公共交通利用者の買物をしやすくしています。また、市の職員証や学生証にもその機能をもたせるように検討していくとのこと。
自転車を利用した都市づくり計画のひとつとしての事業について
○レンタサイクル事業は、1台の自転車を複数の利用者が相互利用することで自転車の総量を抑制し、駐輪場内の放置自転車を減らし、近距離公共交通機関のひとつとして位置づけ、多くの利用者が見込まれる施設をネットワーク化しています。
○ワンコイン(100円)で24時間利用できるので、観光客にも利用され年間延べ27万1千台(20年度実績)があります。
○7ヶ所のレンタサイクルポートのうち、3ヶ所のレンタサイクルポートが有料自転車駐車場として指定管理者に委託されている。21年度予算でみると、管理運営費の支出のほうが、収入を1000万円ほど上回っていますのでさらなる削減が急務となっています。
○空き店舗対策として、空き店舗を駐輪場として活用している。一部、市がコストを負担しています。
○放置自転車をリサイクルしてレンタサイクルとして活用。また、8000円以下で一般販売もおこなっていて、H13~H17までで2289台販売の実績です。
○カーフリーデーを設け、車をやめ自転車・バスの利用を促進しています。
三日目 10月28日(水) 愛知県 安城市
*安城市は、人口約18万人で、「市民とともに育む環境首都・安城」を将来都市像におき、総合計画を策定している。また、8月には、安城七夕まつりが開催され、「願い事日本一」を目標に、日本三大七夕まつりの三番目の座を愛知県の一宮市と争っていて、平塚市の七夕への関心度は高く、お互い、協力・協調が図れればと思います。
視察項目
自転車利用と都市基盤の整備について
市内の高低さが最高で27メートルと、平塚市と同じく、大変平坦な地形や、明治用水緑道を生かし、自転車を中心とした安全で快適な環境にやさしい交通環境づくりをめざしています。
*この計画は、エコサイクルシティ計画として、2007年に策定され、計画目標年次は2014年となっています。
自動車産業の大手企業「トヨタ」の影響下にありながら、自転車の利用推進を図る。特に、自転車通勤促進事業所への支援や市職員の自転車購入に対し職員互助会で補助金をだすなど自転車通勤の促進をしている。エコサイクルデーを設定し、自転車利用を推進。職員は率先して行動。
*計画推進のためには、市民・事業者・行政の協働による自転車まちづくりが大切で、そのために「エコりんりん」という市民団体を設立しました。「エコりんりん」は、自転車啓発のイベントを開催し、自転車に関する理解や意識を深める活動をしています。(市から70万円補助)
*自転車・歩行者・自動車の共存をめざした走行空間の整備、改修をすすめ、自転車ネットワークの形成にむけた取り組みをすすめると同時に、
(1)自転車通行区分の明確化
(2)自転車専用レーンの計画的推進
(3)違法な道路占用物件の追放
*おもしろい施策紹介
(1)まちの自転車屋さんの認定
自転車利用の利便性を高めるための仕組みづくりに協力する市内の自転車販売店のことで、空気入れの無料貸出しや市の施策への協力する店認定ステッカーを交付、店舗の入口にはります。
(2)チャレンジエコちゃり通勤
車を使わず、自転車もしくは自転車+公共交通機関による通勤でCO2 削減量を1ヶ月競い、表彰するもの。
* レンタサイクルでは、2日や3日など長期貸出や婦人用自転車の種類を増やしてほしいとの要望があります。