期間 平成28年5月24日~5月26日
要務先 青森県弘前市 シティプロモーションについて
岩手県花巻市 防災対策について
栃木県宇都宮市 ジャズのまちづくり
視察所見「弘前市 シティプロモーション」
弘前市は人口17万8000人(H26年10月現在)で弘前城と桜まつりやねぶた祭りが有名です。産業就業人口をみると、農業就業者が14,6%(平塚市は、1,6%)、医療・福祉関係の就業者は13,6%(平塚市8,7%)となっている。リンゴが有名。弘前病院をはじめ、医療も充実している。
平成23年、弘前城が築城400年を迎えるにあたり、弘前城築城400年祭を開催した。開催による「市民による機運の向上」や「観光客の誘致」などの効果を一過性にせず、持続させるために、シティプロモーションに取り組んだ。平成24年度から、推進体制としては、企画部にシティプロモーション担当を設置(職員2名)、副市長を副委員長にした「ひろさき魅力発信プロジェクトチーム」が構成された。
主な取り組み
- インバウンドの効果。外国人の誘致を積極的に展開。外国人の宿泊が平成24年2500人から平成27年9000人に増大。外国人記者クラブへ情報配信、外国語版市勢要覧の作成
- 動画の制作。ひろさき100ストーリーズと名付け、まつりや風景、イベント、文化財、食など、又、弘前大学の学生と連携
- ホームページ、SNSの活用
★弘前城本丸石垣修理が100年ぶりの大工事とあって、最大のチャンスととらえ、この「天守曳家」を単なる工事でなく観光資源、PR資源として国内外へ発信。広告換算値は、約25億円(市計算)
しかし、天守曳家により、お城と桜が一緒に見れないとあって、マイナスイメージが浸透し弘前さくらまつりを中心にした観光客の大幅な減少が懸念される
★天守閣がもとにもどるまでの5年間の事業として「弘前への愛」をコンセプトに郷土愛を育む市民運動を展開している。そして市民の想像力を育むことで市全体の活性化、成長につなげる、プラスの好循環をもたらす。
花巻市「防災対策について」
★地域での防災訓練も「避難所にきちんと避難できるかどうかを目標に実施され、平成27年度も、土砂災害対象2か所、洪水対象2か所行われ、要配慮者施設も1か所実視されています。
★自主防災組織の防災力の向上をめざし、とりくんでいますが、現在210組織で、組織率は世帯数で91,7%と高い。
★図上訓練は、自主防災組織や未組織地区を含め、平成25年度25回、平成26年度27回と多く実施しています。
職員2名を研修に行かせ、気象情報や土砂災害・河川洪水災害などに対し、どのように進めるのかを研修。
★障がい者への対応として、避難行動要支援者への取り組みをしていますが、平塚市の取り組みをモデルにしているそうです。
平成28年3月に避難行動要支援者支援計画の策定をしましたが、同意者名簿の作成において、郵送の場合、30%の同意しか得られず、補正予算を組み、8月から全世帯(4000世帯)の戸別訪問を、4名の非常勤職員で実施することになったそうです。要支援者の把握は、個人情報の問題もあり、どこでも悩みが多い問題です。
★ハザードマップも作成されていましたが、
①指定緊急避難場所や指定避難場所に国土地理院の記号を使い、大変わかりやすく、細分化されたマップでした。
②各自が予め避難場所、避難経路の書き込みをハザードマップにできるようになっていて、各種の災害に対応していました。
★風水害への備えとして、避難準備情報や避難勧告、避難指示などの発令基準が示されています。
①土砂災害の避難準備情報では、大雨警報が発表され、雨量状況が3時間以内に基準値を超える場合、岩手県の土砂災害警戒情報システムにより、県から市へ即座に通知されるそうです。今まで、10回ほど出されたとの事ですが、この警戒情報システムは全国もしくは、都道府県で同じ基準で統一したものをつくるべきと感じました。
②河川洪水災害の避難準備情報は、まだ一度も発令がないそうです。
宇都宮市「ジャズのまちづくり、百人一首のまちづくり」
人口51万8千人の宇都宮市は、圏央道の開通により、本市にとって遠くのまちでなく大変身近な北関東のまちになりました。議会の特別委員会も、人口減少対策・スポーツ文化振興・健康長寿などの調査特別委員会が、平成27年7月から設置され、時代の変化に対応しています。
★第2次宇都宮市文化振興基本計画が平成28年度から平成37年度までの10ヶ年計画として策定されました。その中で
1 文化をつなぐ人材育成の推進
2 宇都宮文化の創造・継承の推進
3 文化を活用したまちづくり
などの視点で重点事業として
「ジャズのまち事業や百人一首事業」を推進し、文化を身近に感じ活動できる環境づくりに取り組んでいます。そこで
「ジャズのまちづくりについて」
★目的
宇都宮は、カクテルや餃子が有名ですが、ジャズプレーヤーの渡辺貞夫氏が在住していたため、渡辺さんを顕彰する取り組みでもある。そのため、ジャズのまち宇都宮を支える団体・個人を育成するため、教育・練習の成果を発表する機会の創出、また、ジャズの楽しさを知ってもらう鑑賞機会を創出することが目的。従って、カクテルを飲み、餃子も食べてジャズを聴くことになります。
★当初は、ジャズをまちづくりとして中心市街地活性化の視点で考えていたが、その後、教育委員会が事業運営主体になった。(文化振興計画の策定)
★事業概要(平成25年度から補助金)
ジャズのまち普及事業は、事業主体がジャズのまち委員会で12名で構成されています。内容は、ジャズ教育事業、渡辺貞夫顕彰事業、団体育成事業、ジャズのまちPR事業などで、平成28年度の事業予算は1444千円。また、共催事業として、ジャズのまち活性化事業があります。事業主体は、ミヤ・ジャズ推進協議会で構成メンバーとして23の市内各団体が参加しています。ジャズを活用した集客交流事業で、これには事業補助金つぃて100万円の予算がついています。
★課題として、関係部署や関係団体との連携強化による、ジャズを通じた人づくりやまちづくりの一層の推進が求められる。
★平塚市もジャズが盛んなので、圏央道をきっかけに、平塚市と宇都宮市の「七夕ジャズフェスタ」の開催を提案したい。
★百人一首の誕生は、鎌倉時代に宇都宮で活躍した「宇都宮頼綱」の存在があり、小倉百人一首の始まりで宇都宮は百人一首ゆかりの地となりました。