視察所見(視察は10月23日から24日)
都市建設常任委員会 委員 野崎審也
和歌山県海南市「海南地区津波対策事業」
湾の先端に計画された「津波防波堤の事業」について説明をうけ、現地を視察しました。この事業は3,11以前のH21年度からH31年度までの津波対策として国が3分の2、県が3分の1の総額250億円のビッグ事業です。
最大の津波を8Mと想定していますが、現在の計画では、6.4Mの高さの防波堤ですので、やはり減災の考え方が重要となります。何を重点に市民に津波対策をしているのか聞きましたら、本市と同様、「高い所へ早く逃げろ」とのことで、避難路や避難場所の確保等の対策の徹底がされているようですが、津波ハザードマップや防災マップ等充分とはいえず、その点では本市のほうが先行しています。
沿岸部には、火力発電所、石油精製施設や鉄鋼やポリマーの生産工場等多様な産業が集積しているので、このような「直立浮上式防波堤」の建設計画が検討され実施に至ったと理解はしましたが、総事業費250億円のコストにみあう津波対策ができているのか少々疑問です。特に、津波の強度に防波堤がどれだけたえられるのかの詳しい説明がなく、課題としている点です。又、津波の高さの想定に対する実際の高さも十分とはいえません。多額の国税を投資しますので、減災の観点からも産業をまもる対策が必要と感じます。
愛知県大府市「おおぶ文化交流の杜整備事業」
大府市生涯学習プラン2007が策定され、基本目標のなかに、生涯学習の拠点づくりがあります。その施策展開として、2万㎡の私有地を活用し、中央図書館機能を備えた複合施設の建設「(仮称)おおぶ文化交流の杜基本計画」をすすめています。事業スキームは、特別目的会社(SPC)が施設を建設し竣工後速やかに大府市に所有権を移転、運営及び維持管理を遂行するBTO方式を採用している。これは、大府市が財政力があるからこそ公的資金の導入が可能で、平塚市では無理です。H23年6月議会では、「将来につけを残してはいけない」とのことで議員からの質問事項が多かったが、行政側から情報提供をこまめに実施し、さらに指定管理者制度の導入により整備事業の理解がえられた。
大府市の人口は、88000人、公民館は9館です。人口1万人に1館とすると、平塚市(人口26万人)の公民館26館と同じ規模。しかし、公民館の管理運営は、館長(課長補佐や係長が担当)、主事の職員2名に嘱託員1名の3名でおこない、公民館を通じて文化・学習活動の支援をしています。平塚市も公民館の管理運営面では、人材配置も含め再検討の余地があります。