平成26年8月27日
清風クラブ 野崎審也
期間 平成26年8月25日から8月26日(1泊2日)
大分県日田市「バイオマス利活用事業について」
当初、2日目は、広島市を視察する予定でしたが、22日に広島市役所から連絡があり、大規模土砂災害がおこり、視察中も大雨の恐れもあるので対応ができない旨、お話をいただき、やむなく日田市のみの視察となりました。
大分県日田市の人口約7万人ですが、市域面積は、平塚市の10倍もあります。日田市は、福岡県境にあるため、経済圏は、大分よりも福岡と密接なつながりがあり、また、「天領ひた」といわれ、市域面積の8割を占める林野から山林業が盛んです。
水と緑豊かな恵まれた自然を背景に環境政策を積極的にすすめ、環境型社会への移行をめざし、自然エネルギーの導入など環境都市日本一をめざしています。その中核が、バイオマス資源化センターです。
操業開始 平成18年4月
処理方式 メタン発酵
処理物 家庭、事業系生ごみ。豚ふん尿、農集排水、
処理能力 80t/日、H25年度は年間2万トンを受け入れ処理
市の直営 職員数5名、
整備の目的
ごみの焼却をしないので、ごみ処理コストの削減が図れた。
・焼却場年間維持管理費の削減
・焼却場更新建設費の削減
・埋立処分場の延命(焼却灰減少)
センターの目的は、廃棄物処理と再資源化
・市の施設のため一般廃棄物の処理を優先。
・H25年10月から全量売電へ、H26年度見込み約6千万円
運転管理費
・FIT(固定価格買取制度)により発電はすべて高く、販売。
・買電は、九州電力から安く購入、約3千万円。
そのため飛躍的に売電量がアップ。平成26年度見込みの収入割合では、1憶2千万円のうち売電が52%の約6千万円、おかげで、市の負担金は、10%の約1200万円ですむ見込みです。
H24年度では、9900万円の収入のうち、市の負担額が52%あるので約5000万円かかっていたものが、H26年度の見込みでは1200万円に減少している。これは、運転管理費の向上をもたらしすばらしい成果です。
日田市における再生可能エネルギーの普及に向けた取り組み
(1)木質バイオマス活用に活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型境構築に大きく寄与します。そこで、日田市では、市域の80%が森林であり、木材業が盛んですので、建築廃材や間伐材・林地残材などの未利用材、製材廃材の木質バイオマス活用を図っています。民間の活力、(株)日田ウッドパワー、H18年11月開始(株)グリーン発電大分、H25年11月開始、山林未利用材のみ扱う
(2)資源化センターで処理され、個液分離された「液肥」と「堆肥」を活用。堆肥は年間300tで、市民に一二キログラム50円で分けています。液肥は年間330t。全量利用は困難。残りは下水道に流す。ともに、日田式循環型有機農業の推進に役立てています。
(3)啓発活動。H13年12月、ひた市民環境会議を設立。環境問題は、市民の生活や事業者の事業活動に起因するものが多く、具王政としては、市民や事業者との協働で進めていくことが重要になる。そこで、環境保全活動を全市的に広めていくために設立。
・行政は、事務局として加入
・H23年度は、省エネ・節電の啓発運動を展開、H25年度は再生可能エネルギー発電施設見学会を実施
・エネルギー部会・森と水部会・ごみリサイクル環境部会など場階活動を積極的におこない、啓発に取り組んでいる。
・啓発活動を通じて市民の意識も高くなり、ごみの減量化も促進された。
課題
・立地条件―――匂いへの影響を配慮した用地設定が必要
・採算性――――ダイオキシンの削減、処理コストの低減、処分場の延命化、
再生エネルギーの創出など従来の焼却よりメリットがある。
・制度―――――FITによる全量売電は施設の電気的分離が不可欠。
・技術―――――バイオマス生産では液肥として利用できる消化液が必ず発生。