高齢者の多様な役割、外出と交流や健康・元気で長生きを促進 医療と介護の連携強化、認知症対策や看取り対応の施設の拡大

令和元年 会派視察報告

期間  令和元年7月24日~7月26日
用務先 仙台市「防災対策について」
    宇都宮市「子育て支援策について」
    坂東市「英語教育について」

「視察所見」  仙台市「防災対策について」

*3.11の大震災の教訓から、自主防災組織の活動支援と防災リーダーの育成強化に取り組んでいます。まず、自主防災組織の活動支援では、

*S53.6,12 宮城県沖地震発生があり、全国に先駆け「防災都市宣言」をおこない、町内会を中心に自主防災組織の結成促進を図り、令和元年7月現在では、1391の町内会数の98%が組織化されていますが、113の連合会数では57%の組織化率で今後の課題です。また、町内会組織の結成率は高止まりだが、活動件数及び組織内の世帯数割合は減少気味である。

*活動支援としては、防災用品の助成や防災マップの作成支援、防災・減殺アドバイザー等職員の派遣を行っている。また、市民が安心かつ自立して地域社会づくりに取り組めるよう活動中の事故に対して補償金が給付されます。

*次に仙台市地域防災リーダー(SBL)の育成では、平成24年度から、①地域の実情に応じた防災マニュアルの作成や訓練の企画等担える人材の育成、②災害発生時に避難誘導や救護活動、避難所運営など災害対応を担える人材の育成、などを目的に養成され、令和元年7月現在では、連合町内会5名を目安に、全体で651名活動している。新たな防災教育の指針も発表し、①目指す児童・生徒の姿として自助、共助ができる子どもたちの育成を図り、②学校ごとの年間指導計画に基づく実践的な防災教育の取り組みとして成果などの情報共有を図るための発表会を実施している。

*SBLの養成平均年齢が64,5歳と高齢化と固定化が進み、若い人が必要だが、なかなか進まないのが課題になっています。特に、20歳台は地域活動をしないので学校教育の中で防災を学んでもその後の地域活動につながらない点は、本市でも他山の石として若い人の参加をどうするか対策が必要です。どこの自治体でも若手のリーダーの育成が急務です。

最後に

*今年度新たに市長公室が設置され、今まで、消防局にあった危機管理課が市長直結の組織として危機管理室になったとの話をいただきました。担当課の話によると組織改正で、防災関係の事案が今までの消防から市長公室になり、市民の戸惑いや、危機意識の低下などみられるとの事です。そこで市民危機意識の向上に向けてさらなる情報発信が必要とのことです。本市でも同じような組織改正の議案が上程されますので、仙台市と同じことが予想されます。対応を十分考える必要があります・

視察所見  宇都宮市 「子育て支援策について」

*平成28年5月にも会派視察でジャズのまちづくりについて視察しましたが、その当時と様変わりで、今回は、キャッチフレーズ「子育て愉快だ宇都宮」、など発信し、過去2年連続で待機児童ゼロの実績をうたい、「共働き子育てしやすい街ランキング2018全国1位」や50万人以上の市で5年連続「住みよさ度」ランキング1位や「財政健全度」ランキング3位など、うつのみやの魅力をたっぷりと知ることになりました。そして、「住めば愉快だ宇都宮」、として宇都宮ブランド推進協議会から情報発信されています。本市も選ばれるまちになるためのブランド戦略が欲しいところです。

*具体的な子育て施策について、口頭での説明で、視察用の資料はありませんでした。説明で強調されたのは、まず、

①保育園に入りやすいまちとして、平成29年度と平成30年度の2年間において4月1日の待機児童がゼロを達成したとの事です。平成27年度の新制度以来、51施設の保育施設整備をおこない、1500名を確保した。しかしながら、今後は少子化を考慮して小規模保育の充実と既存の施設の入所率120%を超えた体制も考えていきたいとの事です。

②そのためにも保育士の確保施策が重要で、県と連携し保育士養成の新センターをつくり、法串野確保を図っています。
また、潜在保育士を見つけるために、市内のショッピングモールに保育士の求人票を張り出し、新センターへつなげていく方策もしています。また、平成29年度から学生とのマッチングでバスツアーを企画し、新たな保育士の担い手を探したり、自治会の回覧版を利用し、保育士の募集を行っています。保育士確保に向けて、ありとあらゆる施策をしていることは素晴らしいと思います。

③経験や専門性をもつ「宮っこ子育てコンシェル」を市内子育てサロン7か所に配置しています。そのため、幼稚園、保育所、認定こども園、一時預かりなどの子育て支援事業の中から最適なものを選び、スムーズに利用できるように、相談や情報提供をしています。待機児童ゼロに貢献しています。子育て支援ガイドブックを2年ごとに更新し、情報提供をしています。

④幼稚園はすべて私立で、ほとんどで一時預かりをしていますが、0才から2才までですので3才以降の受け皿の施設が必要で、子育てコンシェルの役目です。また、保育所は公立10園、私立70園ですが今後、民営化の方向です。

⑤宇都宮市では、平成20年度から、公立幼稚園の民営化に伴い、私立幼稚園だけなので、教育委員会でなく子ども部で所管しています。予算も、国の文科省からいったん財政課に入り、それから子ども部に行くそうです。本市では、以前から公立。私立幼稚園は、教育員会の学務課が担当です。公立園の民営化が達成されたなら、新制度、旧制度によらず、私立幼稚園は、すべて、健康子ども部の所管とする検討をすべきと考えます。他にも、宇都宮市オリジナルの施策があります。子供を望む夫婦を応援、不妊治療日助成制度で、初回治療費の国の基準上限額30万円に最大15万円を上乗せしています。出産前後に経済的サポート、女性期間を1か月延長。妊娠期から出産した翌々月までの負担分を助成。出産直後のままの心と体の、産後ケア。産後サポート。これは平成20年10月から。

視察所見   坂東市  「英語教育について」

坂東市は、関東平野のど真ん中に位置し、58000人のまちですが近年、4000人も人口減少し高齢化少子化の課題を抱えています。東京まで約40キロの距離ですが、降雨通悪説が不便なため、リピーターが少ないのが悩みです。また、人口減少のためか在住外国人が多くいました、このような都市環境の中で、坂東市は、英語教育に力を入れています。教育委員会からは、教育特例校制度を活用した説明を受けました。

市内すべての小学校(13校)で平成31年4月1日から令和4年3月31日までの3年間、特別な教育課程を編成し、外国語指導助手(ALT)を活用することで子どもたちの英語活動に対する興味、関心を高め、国際理解教育を推進しています。内容は、①表現力がつくように ②発信する力をつける ③国際理解が得られるようになどを中心に行います。しかしながら、全学年ともALCに頼りがちで、改善も含め、新たな研修が必要との事です。

・切れ目のない英語学習のために、今年の2月から、こども園や公立幼稚園でも英語に親しむ学習をしていることは、英語力の向上に役立つと感じました。

・地区公民館でも地域住民の方が講師で英語を教えています。

・先生の負担もあることから、検討委員会を設置して、先生の負担軽減を図り、子どもたちの学力意欲を向上させることも考えています。

また、数学や漢字、英語の検定取得率日本一事業も行い、英語学習にも相乗効果で学力向上と学習意欲の向上に役立っています。

・中学生実用数学技能検定取得率日本一(市内1568人の中学生のうち、1098人が11級から1級までの級を取得、70%)

・中学生の日本漢字能力検定取得日本一  取得率 72,7%

・小学生の実用数学技能検定取得日本一(市内2857人の内、2056人が取得)

・小学生の日本漢字能力検定取得率日本一

*市では、各種検定受験料の一部(半額)を補助している。