全国市議会議長会視察報告
視察場所 大分市
視察日 平成22年10月20日~10月21日
地方議会のあり方(定数・報酬はどうあるべきか)
河村名古屋市長VS市議会、竹原阿久根市長VS市議会、など、今、市議会の定数や報酬について大きな話題を提供していますが、ともに市長を支持する世論は小さくないと思います。
今後、議会に対して大きな嵐が来ると思いますが、単に議会費の節減ありきや定数削減ありきの議論でなく、これだけの仕事をするからこれだけの定数や報酬が必要といった議論が大切で、公募市民とともに議会改革を進めていく必要があります。
大分県の由布市では、市議会議長から今年、議員報酬の改正が可決され、1万円増額されたとの報告がなされ、会場に集まった全国の議員達の羨望のまとになりました。由布市の議員は、報酬に見合った仕事をしているとの評価を市民からいただいたとのことですが、合併により、定数も26名から24名になりまた、22名と減になっているので、トータルでは、理解されたとのこと。
また、地方政治は、今、市民に充分信頼・信用をされていないので、市民をまきこんでいく方法を考えていくことが重要です。
それには、
- 市民が、直接、参加できる仕組みをつくること。
- 情報発信を充実させること。ホームページには、情報があまりない。
- 議会の内容が理解されていないので、議会だより等広報活動を効果的に考えていくこと。
- 現在の行政と議会の二元制では、首長が一番権力が強いので、運営面では、対立するのではなく、議会事務局の改革を考えるべきです。
- 議会は、住民に一番近い存在、住民の代表機関なので住民の意見を吸い上げることが大切で、例えば、パブコメも議会がやるべきです。
- まちづくりの課題・解決は進んだか。
- 施策の目標達成状況はどうか。
- 次に、施策の目標達成にむけ展開する「事務事業」の検証
- 施策の目的達成のためにどの事務事業へいくら使って何をしたか。
- それで何がどう良くなったのか。まちづくりの課題解決にどう結びついたのか。
- 「事業仕分け」的な視点で、事業の拡大、維持、縮小・廃止を明確にする。
- 評価基準を簡素化し、評価を明確にし、わかりやすい提言につなげる。
- 会派をこえた議員同士の意見交換や議論が必要で、市民の評価、市民の目線からの評価を議会側でどう取り組むか。
- 議会は、行政のチェック機能から、政策立案(予算化)へ変革すべき。
- 施策について、それは、誰がやるべきか、誰と組んだらよいのか、このように、新しい公共を考えていくべき。
- 議会は、行政との対立型ではなく、市民のため、よりよいまちづくりの方向を見つける議会でありたい。
- 平塚市も、決算特別委員会の審議の内容の検討とともに、予算特別委員会の設置の検討も議論すべきです。
最後に、中邨氏(明治大学教授)が、含蓄のある話をされた。「あなたの将来は、どうするのか」との問いに対し、外国人は、自分の責任において将来を考えるが、日本人は、自分でやらずに行政にまかせ、できなければ、それを行政責任にしてしまう。そこで、住民は文句は言っても動かないので、議会が先導して自治体の課題を住民に問いかける仕掛け作りが大事です。それには、住民投票をもっとやるべきです。と。
パネラー:中邨 章(明治大学教授)、大山 礼子(駒沢大学教授)、谷(日経論説委員)
「議会の調査権」(飯田市における行政評価の取り組み)
飯田市は、平成19年4月に自治基本条例を施行しました。これにより、市民の果たすべき権利と役割を明記し、市と議会には、果たすべき責務を規定しました。そして、同時に「行財政改革検討委員会を設置」し、行政評価手法導入の検討をおこない、議会が、基本構想・基本計画の進行管理に関与することになった。
つまり、施策及び、事務事業の取り組み状況を評価し、その結果をふまえて、決算の認定をおこなうことで、めざすまちづくりの実現にむけた役割をになう。
まず、施策の検証
行政評価手法の流れ
7月、8月の常任委員会で集中協議をおこない、9月の定例会で常任委員会における「政策及び事務事業に対する提言書」の取りまとめ、決算の認定後、1月の予算編成方針に反映させる。