高齢者の多様な役割、外出と交流や健康・元気で長生きを促進 医療と介護の連携強化、認知症対策や看取り対応の施設の拡大

3月議会定例会最終日 平成22年度平塚市一般会計予算の賛成討論

2010年3月30日

平塚クラブを代表して、議案第25号「平成22年度平塚市一般会計予算」について、賛成の立場から意見・要望を付して討論をいたします。

平成22年度の予算編成にあたっては、「総合計画の着実な取り組み」、「行政改革への取り組み」、「健全財政の維持」の三つを基本方針に定めたとあります。

平成21年度に引き続き大幅な市税収入の減少などから、大変厳しい予算状況ですが、内閣府の発表によると、景気は持ち直しにむかっているものの企業、特に中小企業の先行き不安は根深いとのことです。デフレ予測の長期化の中で個人消費も伸び悩み、雇用状況は最悪で、生活保護受給者も急増しています。また、政府の成長戦略も不透明で今後3年間の実質国内総生産の成長見通しも年1%と低く、今後の大きな政治環境の変化の推移によっては、本市など地方自治体の行政運営に重大な影響が及ぶことが懸念されます。

このような社会経済環境の中で一般会計の予算規模は、759億2000万円で前年度に比べて13億6000万円、1.8%の増ですが、子ども手当の創設による歳出を除けば前年度比5億5000万円、2.1%減少となります。歳入では、財政の根幹となる市税収入について個人市民税が3.4%減、法人市民税が17.2%減、固定資産税1%減、都市計画税1.3%減となります。市たばこ税が税改正で2.9%増が見込まれるものの、市税全体では、13億5000万円、3.1%減となり、2年連続して大幅な減収が見込まれます。

歳入の確保は、総合計画を着実にすすめていくためにも最重要課題であります。しかし、予算書の中からは、市長のいわれる「この地に住んで良かったと実感できる地域社会の実現」のビジョンを読み取ることがあまりできません。市長は、よく、協働と経営と述べられていますが、協働は強調されますが、今まさに経営の視点や手法が要求されているのではないでしょうか。非正規職員を含むすべての職員がこの経営の意識でとりくむ意識改革が大切と思います。本市にとって大事なのは、にぎわいにあふれ、活力に満ちた元気なまちです。

今年の一番の明るい話題は、湘南ベルマーレのJ1昇格です。それにより平塚競技場の大型映像装置の設置が決まりましたが、財政厳しい中での市長の英断に拍手を送りたいと思います。ベルマーレの元気をまちの活力につなげる方策が求められています。また、ネーミングライツやフイルムコミション・有料広告など税収外収入の確保の増収施策も積極的におこなう必要があると思います。

産業振興計画ができますが、実施計画を早期に作成し成果のあがるものにし、産学公の連携や観光を活用した農業・工業・商業・漁業・観光の連携による産業の活性化ならびに地元中小企業への支援策のさらなる強化が望まれます。

歳出では、ムダを省き効果的・効率的な行政運営をおこなうとともに、選択と集中のもと、事業そのものの必要性の有無を見直す作業が重要ですが、平成21年度は、14事業の仕事の点検作業がおこなわれ、4事業が不要とされ効果額は、5600万円となりましたが、平成22年度はさらに事業の点検作業をすすめ、30から40事業を実施する予定です。

しかし、これは、行政による仕事の評価であり、事業の仕分けではありません。外部の人による事業仕分けの手法を導入し、事業が不要かどうかを精査することが重要と考えます。

また、平成22年度は、健康フェステバル・湘南ひらつか大盆踊り大会高齢者ふれあいバス事業・海洋少年団交流事業など多くの事業が廃止されましたが、今まで市民に親しまれ活用されてきた経緯を考えると、廃止したことによる市民の痛みに対し、行政側でも分かりやすい説明が必要です。事業の見直し・廃止については、単に情報を提供するのでなくお互いに情報を共有し理解していくことが大切であり、それこそ地域自治の原点と考えます。

又、まちの魅力アップのため、駅西口跨線橋のバリアフリー化をすすめますが、この事業は、多くの地域住民の長年にわたる要望の実現であり、一日も早い完成が待たれるところです。なお、西口北側のエレベーター設置については、西地の駐輪場の整備にあわせて実施とのことですが、早期の着工を要望します。

次に、駅西口東地自転車等駐車場については、財団法人を活用して整備するとともに、民間の自転車等駐車場の整備を促進する助成制度をはじめます。平成20年9月議会で否決された当初案では、国のまちづくり交付金を活用し9億3000万円で5階建ての整備計画でしたが、平塚クラブは高額でしかも5階建てなので、さらなる精査が必要として反対しました。

今回の計画は、2層3段の簡易な建物で、財団法人に市有地等を貸与し、同法人が施設を建設し維持管理運営を一体的におこなうものです。市長も本会議の中で、今回の計画は、よいものができたと述べられましたが、平塚クラブも駐輪場の必要性は充分理解しているところであり、厳しい財政状況の中で、前よりもすばらしく良い整備計画ができたと思います。

本市も26万人の基礎自治体として地域自治を推進していくことが肝要ですがそれには、市民と行政が対等な立場で協働して地域の課題を解決し、誰もが安心・安全な住みよいまちを実感できるようしていかねばならないと思います。そのためにも、予算編成が情報公開され、透明性ある市政を要望します。

また、地方公会計改革による貸借対照表など財務4表を作成していますが、今後は、財務指標を活用し、世代間の負担割合や財政の持続可能性、市民一人当たりの行政コスト、人口規模の似ている他自治体との比較など市民にわかりやすい情報開示や財務分析および活用が重要と思われます。

最後に、この難局をのりこえるためには、市長が強いリーダーシップを発揮し、強い信念と行動力で全職員と一丸となり情熱をもって取り組むことです。市長は、自分の発信することばの重みと責任を十二分に自覚され、元気で活力のあるまちの創造にむけて市政運営にとりくんでいただく事を強く切望し賛成の討論といたします。