高齢者の多様な役割、外出と交流や健康・元気で長生きを促進 医療と介護の連携強化、認知症対策や看取り対応の施設の拡大

会派視察 10/28-30

2013年10月30日

期間 平成25年10月28日~平成25年10月30日

用務先 山口県下関市、「ツール・ド・しものせき」について
福岡県福岡市、「保育コンシェルジュ」について
佐賀県武雄市 「市立図書館」について

佐賀県武雄市「市立図書館」

今、公共図書館が指定管理制度で運用され、大きな話題です。佐賀県の武雄市が、平成25年4月1日、指定管理者による運営を開始しました。指定管理者は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社で、コーヒーのスターバックスと提携。新しい図書館の在り方について、勉強してきました。

ポイントは
・年35日あった休館日はなくなり、9時から21時まで年中無休で開館
・20万冊の本とであえる
・雑誌、マガジンを買うことができる。また、館内で自由に閲覧できる
・映画と音楽が楽しめる
・Tカードが図書館の利用カードになる
・コーヒーと本が一緒に楽しめる
・宅急便返却ができる

このような方法で、図書館。歴史資料館への来館者は、オープン6か月で50万人を突破。貸し出し数は30万冊になります。市民アンケートの結果は、大いに満足・満足が83,1%と非常に高い数字です。しかし、不満も17%あり、内容の精査が必要です。11月11日には、武雄市の市長が、湘南6市の議員研修会で講演会をおこない、「もうかる自治体」「スピードこそ最大の付加価値」などと熱弁をふるいました。武雄市図書館の件で武雄市文化学習課へおこなった私の質疑の内容を報告します。

Q1、所管はどこか
A: 教育委員会文化学習課です

Q2、指定管理者は何年ですか
A: 5年

Q3、市民との協働は考えているのか
A: 図書館の運営において市民との協働は不可欠と考えています。今後も市民ボランティアの活動に支えられていきます。来館者が増えたことで、ボランティアの方のモチベーションが向上し、活動の活性化につながっています。また、ブックスタートへの取り組み・音訳・点訳なども従来通り協力いただき、希望者へ送付しています。なお、指定管理業務の仕様書のなかにも「図書館内ボランティアグループとの連携・強化」という項目があります。

Q4、学校との連携は
A: 学校から要望があった時は、団体貸し出しをおこなっています。また、図書館では小学生を対象にした子ども司書講座、中学生を対象にした職場体験を実施。子ども向けの講座として、本の販売をはじめたことで、これまで呼ぶことができなかった著名な方をお招きすることができるようになりました。例えば、子ども辞書引きの先生や著名な絵本作家など。今年度は、スターバックスで子どもバリスタ養成講座を実施。市内のすべての小学校低学年には、図書館体験をしていただき、図書館のフアンづくりにつとめています。校長会へ出向いて広報を実施。学校間のシステム連携補助も図書館でおこない、具体的には、各学校の蔵書を武雄市図書館で一括入力し、各学校での蔵書の把握につとめ、加えて、学校司書の研修も図書館で実施しています。

Q5、スタッフの人数
A: 館長 1名、(CCCの契約社員ですが、教育委員会からも辞令がでています)司書13名(CCC契約社員)、アルバイト 39名、非常勤 1名。また、CCC図書館カンパニー社員 13名が武雄市に移住し、活動しています。他に、従来通り、歴史資料館(市直営)に、職員 2名、嘱託員2名が在籍)

*海老名市でも実施されますので、今後、公立図書館の在り方について広い議論が必要です。本市でも中央図書館が経年経過しており、場所の移転も含め、検討の時期にきているのではないでしょうか。

山口県下関市「ツール・ド・しものせき」

平成16年に策定した「サイクルタウン下関構想」に基づき、自転車にやさしいまちをめざすために、自転車の利用促進を図り、多くの市民に自転車の楽しさ利便性を知ってもらうために、開催しています。さらに、イベントを通じた参加者や市民の交流から「人のネットワーク」を構築し、今後の豊かで住みやすいまちづくりをめざすことも目的です。下関市は、人口28万人と平塚市と同じ規模ですが、人口減少気味で、それに少しでも歯止めをかける意味からも、交流人口を増やす施策は重要です。

・交流事業推進室が担当
・インターネットで募集したら25分で定員締め切りの状態
・経済効果の試算はされていない
・交通事故が心配、課題ですが交通規制はしないで対応している。
 しかし、交通渋滞をしないよう信号の時間調整等の規制はしている
・参加者は約1000名だが、県外が70%と多い

平塚市も自転車にやさしいまちづくりを志向しています。又、競輪場もあるのでツール・ド・ひらつかを企画しても面白いと思います。特に平成26年度には国道134号が4車線化でさがみ縦貫道とつながりますので、サイクルタウンひらつかをめざしたい。

福岡市「保育コンシェルジュについて」

保育を希望する保護者からの相談を受け、その就労状況等を踏まえ、個々のニーズに合った保育サービス等について情報提供や助言を行うことにより市民の保育サービスの向上や保育所入所待機児童の解消に向けソフト面からの支援を推進していくことを目的にしています。

・配置は、各区嘱託員1名で、全体で7名配置
・平成25年4月から実施

保育士の確保が最優先課題となっています。

その取り組みとして
①保育士処遇改善事業――、処遇改善費用を私立保育所に交付
②保育士就職支援事業―― 保育士就職相談員を配置。就職支援センターの開設・運営をはかり、潜在保育士の就職支援
③認可外保育施設に勤務している保育士資格を有しない人に対し保育士資格取得を支援。
 
福岡市では、公立幼稚園が7園、私立幼稚園が120園ありますが、今後、公立園は、廃止の方向で検討しているとのことです。平塚市でも、平成24年度に公立園の在り方について検討された結果が報告されましたが、民間園の活力を活かすためにも、公立園をなくす方向はかんがえていくべきではないでしょうか。特に、幼稚園の定員割れの現状では、保育の待機児童を解消していくためにも幼稚園での0才から3才までの受け入れができるよう環境整備を進めるべきです。福岡市では、横浜市が待機児童の解消で大きな成果を上げたことで、横浜市に負けまいとして、市長の強い思いが、保育コンシェルジュの配置になったと担当から説明がありました。