高齢者の多様な役割、外出と交流や健康・元気で長生きを促進 医療と介護の連携強化、認知症対策や看取り対応の施設の拡大

第73回全国都市問題会議 10/5-7

2011年10月13日

用務先 鹿児島市民文化ホール

H23年3月12日、九州新幹線鹿児島ルートが全線開通し、博多・鹿児島中央間が最速、1時間19分で結ばれ、九州経済が躍動しています。特に新幹線効果を享受したのは、鹿児島で山陽新幹線と直通運転で新大阪からは3時間45分で結ばれ、中国・関西方面の観光客が大幅に増大したとのことです。


第1日目 午前9時30分から
テーマ:「3.11からの復興と安全なまちづくり」

東京大学の大西教授から特別講演がありました。

○災害は忘れた頃にやってくるといわれる。
今回の大津波は、チリ地震津波から51年、昭和三陸地震津波から78年、災害体験が風化しがちな年月が経過している。本市もそうだが、今後、大地震の危険性が指摘されている地域では、ほかのところの災害体験を共有し、警戒感を高めるなど災害への警戒意識の維持が問われています。3.11から8ヶ月経った今、痛切に感じます。

○堅固で高い防潮堤をつくったので、津波対策は、万全との思いが地域住民や自治体にあり、それが過信につながり、大きな惨事になったことはいなめない。従って、想定外のことも考慮すれば、防災には多額のコストがかかり、際限がない。自然界には勝てないので、自然と上手につきあう方法を考えるべき。つまり、減災の考え方が重要です。しかし、減災を考えていく中で「想定災害や被害」を考慮していくと、過度な防災に転じてしまうことになりかねないので、注意が必要で予防を重点にする。

○減災とは被害を完全になくすことはできないが、被害の軽減をはかることであり、具体的には、人命は守るが、家・施設などは失われることを覚悟することと理解しました。

★減災をよりすすめていくためには、避難施設と日常生活に組み込まれた非難行動が欠かせない。車と人が逃げられる避難路や避難場所を設け、より安全な場所への避難を可能にする対策が必要です。しかし、本市では、高い場所への避難を指導していますが、津波避難ビルの協定が進まない現状では、どこに、どのように避難行動をとればよいのかわからず、大変不安です。防災施設の整備には、時間と経費がかかりますが、ひとりひとりが避難の習慣を身につける避難訓練の徹底は、最も即効性があります。また、避難道路や避難場所は、車での避難を想定して、人と車が共存できるようにしなければと思います。

★国道134号は、海抜8Mあるので津波対策は、現状で充分との考えもありますが、相模川流域や金目川の流域では8M以下のところもあり、遡上しての浸水域が拡大する危険性が予想されますので、減災の考え方で大津波は乗り越えても堤防は壊れない構造を確保し軽減効果を高めていく必要があります。


第1日目 13時10分から17時
テーマ 「地域資源の観光資源化」

観光振興策の一環として地域資源の有効策があげられるが、地域資源を価値ある観光資源に転換させていく事は、大変重要と考えます。「いい商品」は、「売れる商品」とは、限りませんが、「いい商品」でなければ「売れる商品」にはなりえません。

○物づくりは、物語づくりでストーリーがなければいけない。そして、「らしさ」を楽しむ遊び心の感覚や「おもてなしの心」が必要。

★このような観点から湘南ひらつか七夕まつりを考えると、出会いや愛・恋絆等のキーワードでストーリー性を高め、リピーターを大事にしていく施策を展開すべきです。また、見に来られた観光客には、市民のあたたかい「おもてなしの心」によるサービスも必要と考えます。そして、市民参加をさらに充実させ、交流・絆づくりを推進すべきです。


第2日目 午前9時30分から
テーマ 「都市の魅力と交流戦略」

○従来型の交流・観光は、「見る」観光を念頭において、特定の観光スポットを観光地化することで「見物客」を集め、交流と賑わいを広げていく事に主眼がおかれていたように思えます。最近の流れは、こういったスポット型の観光ではなく歴史、文化、自然、市民性といった「まち全体」の佇まいや雰囲気、日常に溶け込んだ生活様式にふれることで、こころの開放感やいやしを求める傾向があります。

○それでは、魅力ある都市とは、どんなまちだろうか。2003年、観光立国懇談会座長の故木村氏は、「観光は、住んでよし、訪れてよし、の国づくり」を提言。つまり、「今の観光は、施設を楽しむのではなく、その地域のくらしを楽しむ。だから、旅先で地域の人と同じ生活や楽しみをほんのひと時でも味わうことを望んでいます。」との問題提起をされています。まち歩きを楽しめるまちづくりが重要です。そのような魅力あるまちは、

①歴史・文化・伝統・景観など地域固有の資源を大事にするまち
②人が心地よく歩ける人間主体のまち
③住民同士や住民と観光客がお互い生き生きとした暮らしを実感できるまち

本市の観光行政も、このような観点から、見直しをはかり、地域資源を観光資源として活用・展開の施策を講じるべきと考えます。